そば畑の日記
2011年11月25日(金) 天気:晴れ
ついについについについに、ふれあい企画スペシャル『究極の信州そば』最終回を迎えました!!
何も知らなければ↑上の写真に写っているのは「ごくありふれた普通のざるそば」に見えるかも知れません。しかしこのそばは「ソバ」という植物(作物)を育てるところから「そば切り」という食べ物になるところまでのすべての工程を自分たちの手で行った、まさに“究極の”信州そばなのです。ここに到達するまでは本当に波乱万丈でした。
7月末の種まき後、発芽してから約1週間後には鹿の食害に遭い、ネットで囲う事になりました。
伸びすぎて折れ、実をつけなくなってしまうのを防止するための「土寄せ」が思った以上に大変な作業で、お盆が過ぎた頃、日が出てから暮れるまで雨の中ソバの間にはいつくばって作業した事もありました。それでもソバの生長の方が早くて間に合わず、倒れてしまわないだろうかととても心配しました。
その後かなり丈が伸びたものの、無事実も付け始めたと安心した直後、台風になぎ倒されたりもしました。9月中旬の2度目の台風でさらに倒されましたが、足場のない畑の中まで入って確認する事ができず、10月初旬の収穫までまた不安な日々を過ごすことになりました。
刈り取り(収穫)をして10キロくらいはありそうだという事がわかり少し安心しましたが、10月下旬の脱穀まで畑で立てて干してあるソバが倒れて地面に接し、発芽してしまわないよう、連日立て直しに行ったりもしました。
脱穀後の「選別」がこれまたかなり手間のかかる作業で、今日のそば打ちの回で使う分を選別するのがやっとでした。そうして5キロほど選別し磨いたそばの実を兄が1日がかりで製粉してくれ、4.5キロほどのそば粉になったのです。
以上のように膨大な手間をかけて粉の形にまでなったそばを、今日は父である館主の指導でそば打ちしました。
最初に石臼体験と、館主による製粉の話、そば打ちのデモンストレーション(上の写真はその時に打ったそば)を見てから2人と3人に分かれてそれぞれ1キロを打ちました。そば打ちだけでも、「水回し」や「こね」、「のばし」、「たたみ」、「切る」、どれも巧みな技術を要する難しい作業です。私は見ているだけでしたが、そば切りの形に近づくにつれて、今までのいろいろな出来事を思い出し「本当にここまで来たんだ…」と、やっと実を結んだ安心感を得ることができました。
初めて一から自分たちの手で作ったそばは、ほんのり甘みのあるとても美味しいそばでした。
様々な試練を乗り越えて実を付けてくれたソバたちに、育ててくれた自然に、種まき・食害対策・土寄せ・収穫・脱穀・選別・製粉・そば打ちを手伝ってくださった方々に、応援してくださった方々に、そしてこの企画を裏で支えてくれた玉之湯のみんなに、いくらお礼を言っても足りないくらい、本当に本当に感謝しています。
みんなで作った「究極の信州そば」は大まかに測ってみたところ予想より多く、25キロほどありました。引き続き、選別や磨きを行い、ご協力いただいた方々にいい形で還元していきたいと思っています☆