旧来より旅館ホテルというものは「年中無休」が常識とされてきました。年末年始はもちろんのこと、世間が長期連休という時には必ず営業を義務付けられるような状況です。 私がこの業界に入った頃はバブル経済の最盛期でした。今となっては若い人の中にはその言葉すら知らない人もいるくらいですが・・・
当時の旅館で働く人達は、今よりもはるかに高い平均年齢で、俗社会には適応しずらい方たちもいらっしゃいました。休日も月4回程度で、社員寮に住み食事は旅館でというスタイルが当たり前でしたので、ほぼ、「住み込み」に近い状態で働く方が多い時代でした。その後、旅行のブームや就職氷河期などで若い方たちがこの業界にも入ってくるようになりました。
最近では労働時間に関する法律も厳しくなり、監督省庁からの超過勤務に対する指導も厳しくなってきました。当然のことながら労働時間短縮に向けて検討をしなければならないのですが、同じことをしている以上は、「人を増やす」か「お客様の数を制限する」かの選択になってしまいます。「人を増やす」ためには宿泊料金を上げなければなりません。これまで様々な原価を絞り、価格への転嫁を見送ってきた状況ではそうそうは上げられません。「お客様の数を制限する」という方法も旅館という特性上、一組の人数が2人の場合もあれば、10人近い場合もあります。しかも、客室が空いている状態で人数の制限をかけるというのもランニングコスト上あまりよくありません。 明日へ続きます。
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